2021年11月6日土曜日

集中力の科学。ポモドーロテクニックは有効か?

 

あなたの集中力はどのくらいですか?


 一つのことに集中して、活動をするときのあなたが意識を没頭できる時間はどのくらいですか?

 おもしろいもので、テレビなど娯楽は結構な時間で持続できると思います。それは受動的だからです。


 自分から何もしなくていい 

 ことに関しては、比較的長く集中力が持ちます。ただこれは全く本人の糧になりません。「刺激を受けるだけ」で何かを得ることはほぼありません。


 有名な講師のセミナー、著名人の活躍しているニュース、これだけw見聞きしている”だけ”では、ほぼ得るものはないのです。



 人が何かを得るためには、能動性が必ず必要です。

 能動性は言い換えると「探索活動」であり、どれが正しいかわからないことでも、自らが考え、実践して、結果を考えて、またトライする。このサイクルを回すことで、まさしく「自分の身」になるのです。


 ではこの能動的な時間は、どれくらいキープできますか?


 事務作業然り、年賀状の作成然り、さまざまな作業が日常溢れていますが、いかがでしょうか。

 「ゾーンに入る」という言葉がありますね。苦手な作業でも、うまくツボに入れば、苦痛が和らぎ一気に物事が進むことをさします。実は楽しいことに使いがちですが、楽しいことはゾーンに入らなくても継続できるので、不向きな言葉です。大事なことは「苦手な障壁を乗り越えるときに知らぬ間に時間が立ってた」という経験が重要なのです。


 このゾーンに入るということも、一生のうちに何度も経験できることではありません。多分数えられるくらいしか出会えないはずです。それくらい様々な要因が揃わなければこの体験はできないのです。その要因についてはまた後々記載していきます。


 で、ゾーンに入らない通常の集中力です。これは、なんと大人も子供もあまり変わりません。10〜15分だそうです。

 授業時間を構築する際に、小学校だと60分、高校生だと90分を単元と考え、15〜20分で1項目が終わるように設定していきます。それはこの集中力の維持時間と関連しているのです。


 例えば1時間机に向かって勉強している子供も、ビデオで録画してみると勉強以外の作業がちょこちょこと入ってしまいます。これは集中力が切れた証なんですね。

 残念ながら、これを強制的に言葉や環境で閉じ込めてもよい結果はないです。集中力の切れた状態ので学習は、ほぼ効果が薄いと言われています。

 では、どうすればいいのか、そこで考え出されたのがポモドーロテクニックです。


 ポモドーロテクニックとはなにか?

 イタリア語で「トマト」のことを「ポモドーロ」といいます。

 イタリアンを食べにいくと、トマトを使ったパスタのことを「スパゲッティー・ポモドーロ」と呼ばれます。

 トマトを食べれば学習効果が高くなる ということではなく、これは時間管理術の一つです。

 イタリアの学生が、勉強の効率を上げるために、集中力の高い時間に学習を集中して、管理したことから始まります。彼らはこれを「1ポモドーロ=25分」として、「今日は4ポモドーロを数学に使った」という感じで、時間という概念を短くして、別の言葉で表記することで意識を変えさせました。またこの25分が集中力の限界値に近く、自分自身でコントロールできる時間の長さでもあったのです。

 イタリアだからトマトよね。と思われた方、実は違います。

 この25分をはかるのに、キッチンタイマーを使ったのです。そのタイマーが「トマトの形」だったので、ポモドーロとなったみたいです。


子供への教育効果


集中力が短いお子さんには、このポモドーロテクニックが有効なことがあります。

長い時間勉強しなさいという指示だけでは、やはりできていな時間がおおくなってしまって効率が悪いことがあります。その場合、「25分だけ」集中して取り組みなさいという指示は、実施するハードルが下がって、行ってくれる可能性が高まります。

ちなみに、4ポモドーロは、25分+5分(休憩)のサイクルで行うことがポイントです。

作業が乗ってきたとしても矯正的に休憩をはさみます。必ず後々バテるのは目に見えているので無理は禁物です。少しずつポモドーロを増やしていきましょう。


ポモドーロテクニックの注意すべき点

このテクニックはあくまでも集中力を落とさないためのテクニックであり、勉強時間を短くするものではありません。要はこの1ポモドーロで実施できる課題量を的確に設定する必要があります。失敗例は「子供がその時間を耐えればいい」と思ってしまい、終了後の休憩に意識を向けることになってしまいます。

「休憩時間にゲームにしてもいいよ」となると、ゲームに意識を向け、作業が場当たり的になってしまいます。あくまでも成果物をちゃんと確認するような家族システムを作りましょう。

 

親が子供にしてあげられること。6750?

 

親が子供にしてあげられること


これを考えたことがありますか?


少なからずとも、成人するまでは親が面倒を見る必要があるかもしれません。

ただ大学進学と同時に、自宅を出てしまうことの可能性もあります。そうすると18歳までです。


18歳=18年


当たり前ですが、長いようで短いのです。


これが、6750日です。


うまれて二日目には、6749日になり、5歳のことには、残り4745日になります。


明日があるから、明後日があるから、今度でいいから、とのびのびにしてしまうと、この残り日数がどんどん短くなってしまいます。

「今週は仕事がつかれたから、子供と遊ぶのは来週にしよう」これで7日マイナスになるわけです。

子供と一緒の楽しく過ごせる時間もどんどん短くなっていくことに、焦りを感じなくてはなりません。

そして我々も同じように、この頃の記憶はどんどん失われていきます。小学校3年生の夏に何をしたのかなんて覚えていませんよね。

でも親は覚えているのです。子どもたちに出来得る限りのことを提供しているので、忘れることが少ないのです。


一時間、半日、一日を大事にしながら家族と過ごすことは重要なんです。


そして、親はこのリミットの中で何を提供できるかです。

お子さんが、学校などで疲れて帰ってきて、家が唯一の安寧な空間であることは否定できません。

なので、十分甘やかすことも必要ではあります。一方、彼ら彼女らがこれから生きていくために必要なことを、体験させることができるのも親しかできません。


本人がやりたくないからという言葉だけで、体験させないのはとても問題に感じます。

そもそも子供が体験したことがないことに、イメージを持つことができないからです。


「最近の子供はやる気がない」という教育学者がいます。僕はそうは思いません。問題はイメージ力が弱いのです。自分がイメージできないことを体験することで、イメージを構築する体験を沢山繰り返すことで、体験していないこともあたりがつけられるようになります。


 全世界の出来事を体験することはできません。

 体験しなくてはわからないというのは、とても発想が貧困な教育法です。

 一定の体験量と経験は、子ども自身の論理的思考を育むことになります。それが他者に言われて始めたことでも、結果的によい思考を構築できるのです。


 さて、ここで「親としてできることは?」の命題の答えは、様々なことを体験させることになります。それが体を使うこと、頭を使うことどのようなことでも問題ないのです。

 まずはやってみる精神が必要なのです。

 来年からやらせようでは、365日分 時間が不足します。

 思い立ったら、実践することは子どもたちにとっての可能性を広げる大人の使命なのです。



今週の人気テーマ