2022年10月6日木曜日

集団指導と個別指導の違い

 


 集団指導・・・概ね10名程度を小集団として指導を行う。

 個別指導・・・最大3人までを1教師が対応する。


 これだけの違いのように思いますか?

 さらに集団指導のほうが、よい結果が得られると思いますか?


 当方は、最大で100名の生徒を対象に、講義並びに実技の授業を行ってきました。そこでりかいできたことは、40名を超えると、学生の名前と顔が一致しなくなることでした。特徴的な学生は理解できますが、目立たない学生に関しては、なかなか記憶に残りません。


 教職の稀有な能力として、顔を覚えることができるのです。100名を4学年みていましたが、ほぼ全員の顔と学年は覚えていました。名前は覚えられませんでしたが。


 ここは教員の立場として、考えてみましょう。


 教本の内容を教えるというのは、実は「能力はいらない」のです。特に集団の場合には、決まった情報を伝えればいいのですから、大きな問題はありません。講義の時間だけの対応で終われば、対応時間をぐっと圧縮することができるので、もっとも効率が良いと言えます。しかし・・・・この集団全員が「この内容を理解するまで」付き合うとなると、実は時間がいくらあっても足りなくなります。

 一つの項目を伝えるのに、理解が早い学生、理解が遅い学生がどうしても存在します。いくら成績順でグループを分けても同じです。この場合、講師側とすればより高いレベルのことを理解してほしいので、上位陣が楽しく理解できるレベルに引き上げることが多いです。結果はいわずもがな、下位陣は理解がおぼつかず、不毛な時間を過ごすことになります。終わったとに理解したいがために講師に質問に行きますが、やはり説明はレベルの高い状態を再度伝えてもらうことになり、理解に繋がりません。

 学生からの評価は「あの先生が言っていることは難しくて理解できない。面白くない」もしくは「えこひいきをしている」とまで言われる場合があります。

 こういう対応をされてしまう学生は「話しやすい教員」のもとに相談に行きます。この教員は自分の担当講義ではないのですが、丁寧に教えることになります。これで学校としてはダブルスタンダードな状況が提供されてしまいます。本担当の先生の話は聞かず、仲のいい先生の話を聞くことになる。当然時間は数倍に渡って必要となります。最終的には習熟が間に合わないということになります。


 という、事例を毎年のように見てきました。ここで集団学習の限界を感じたわけです。どうも集団学習とは、理解を促す学習ではなく、「道筋を示すもの」だということです。Aという問題と解くには、Bという知識をもって、Cという解釈して、Dという判断をします。という思考の流れの例を伝えて、自分ならではどのような理解をするのか、自主学習で学ばねばなりません。実は集団学習に向いている学生というのは「自分で自分の強みを理解して、自ら学べる」ことが必要最低限の能力となります。

 この能力、学生全員が持っていてほしいですよね。しかし、持っているとすれば、学習塾にいかなくても学力があがるのではないでしょうか。


 成績が上がらない


 お子さんの課題はここにあるとおもいます。

 一人ではどうしても成績が上がらない = 一人での勉強方法がなかなか確立していない ということになります。

 そのような状況下のお子さんが集団指導で結果が出るかは、火を見るよりも明らかです。


 みんなと一緒に。〇〇ちゃんと同じところに。あそこにいって学力が上がっている。


 学力は、皆が同じように伸びると思われていますか?

 そんな事はほぼありません。一人ずつ別々に変化していきます。そしてタイミングよくいい課題を提示しなければ、伸びるものも伸びないのです。

 そのようなきめ細やかな対応ができるのは、個別学習しか無いのです。お子さんの足取りを見て、少しずつ前に進めて、時には手を話してみて一人で歩けることを見てみたり、最終的には卒業して一人で走り出してくれるまでの伴走者が教育支援者の役割だと思っています。


 もし家族が塾に行きたいといったら、間違いなく個別学習塾に通わせます。同じ投資をするのにもリターンの可能性が高いものに参加したいと思っています。隣の〇〇さんと同じだからという理由で投資をするという判断は僕にはありません。
 お子様に合わせた判断を提供してあげてください。

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