今日は、
「さんすうのてんすうがあがらないです。どうすればいいですか?」
のご質問に答えていきます。
まず、算数と数学は違います。
習っている学年がちがうというよりも、求める内容が全く違うのです。
算数は国語が大事
算数は四則演算(加減乗除)の計算と、文章題が出題されます。
これは世の中にある出来事は数字に置き換えて把握することはできるという体験をするための出題です。
「あきらくんは、八百屋に行きました。きゅうりをできるだけ買った後にトマトを買いました。きゅうりとトマトはどちらが高いでしょう」
一見数字が出ていませんが、これもれっきとした算数の問題です。
しかし数字は出ていないので、まさに「読解能力」が試されるわけです。
きゅうりの価格が提示される問題であったり、きゅうりとトマトの差額が提示されたり、はたまた別の野菜が出てきたりと様々なバリエーションになりますが、算数は計算式がちゃんとできるかというよりも、文章を読めるかということが大事になります。それが算数の特徴なのです。
*答えは最後に書いておきます。
数学は因果関係が重要
算数では文章を計算式に置き換えることが重要でした。一方、数学では「物事の原因と結果は数値で表せる」という命題に立ち向かいます。
「宝くじをあなたが1枚だけ購入した場合、一等賞に当選する確率はどれくらいあるか」というもので、宝くじは買えば当たるというものではなく、この確率をどのように認識するかが重要です。
一例で言えば、「年末ジャンボ」の一等当選確率は、1/2000万 だそうです。もっとも当たりにくい宝くじになります。
5万人が入る東京ドームの、400個分の中から1名だけです。
2枚買えば、東京ドーム200個、10枚買えば40個 と確率はあがりますが途方も無い数値です。
さらに「期待値」という考え方があり、賞金の全額を足した額面を、発行枚数で割れば、「1枚あたりの期待できる当選額」がでてきます。これは年末ジャンボであると、計算すると144円程度だそうです。1枚300円の販売価格ですから、50%程度は戻ってこない計算になります。
100万円分購入しても、期待値通りに当選できれば、50万円しか戻ってきません。残り半分は宝くじの収益になります。
半分を宝くじ事業主に渡していることにあるのです。儲かる通りがないわけです。
その他にもパチンコは80%、競馬は65%と、どちらにしても勝ち越せる期待値ではないのです。
もちろん、当選すれば儲けます。ただトータルで何年も何回も続けていくと、結局はこの期待値に落ち着くことになります。それが数学なのです。
ギャンブルの話にはなりましたが、息抜きに参加することもいいかもしれません。
ただ数学的には、決してかけたお金が倍になって戻ってくることはないのです。
質問のお答えを完結にしましょう。
「本を読んでください。何が書いてあったのか、家族に簡潔に説明してみましょう。聞いた家族が内容が理解できていなければ、あなたも本の内容を理解したことにはなりません」
情報を文字としてとらえると、それらを視覚情報で読み、言葉の意味合いを理解して、文脈を接続され、関係性を脳内で構築して行きます。次にその脳内で構築された情報を、相手の理解度に合わせて情報の取捨選択を行い、適切な内容を言葉にして提示することになります。これだけの作業を通じて脳を活性化しているため、物事の把握する能力は格段に上がります。
算数の成績が上がりにくいお子さんは、概ね国語能力が乏しいことが多い印象です。まずは本を読むことから始めると効果を期待できます。
それでは、八百屋の質問の答です。
大事なワードは「きゅうり」でもなく「トマト」でもありません。
「できるだけ」です。
できるだけ、すなわち「最大限」と、言い換えることができます。
となると、あきらくんは持っているお金で「きゅうりを1本も買えないところまで購入する」ことが第一条件です。「1本もきゅうりが買えない」ところがポイントです。
その残りのお金でトマトを購入したわけですから、
きゅうり最大値購入後の残金 < きゅうり1本の価格
きゅうり最大値購入後の残金 => トマト1個の価格
になります。残金でトマトがいくつ買えたかは問題ではなく、残金ではきゅうりが買えないという事実を読み解く必要がありました。
これにより、「きゅうり > トマト」という不等式が成り立つため、質問である「きゅうりとトマトのどちらが高いでしょう?」に対する正式な回答は
「きゅうりの価格はトマトの価格よりも高いと言える。」
が正当です。
単語だけ解答欄に書くお子さんがいますが、それは相手に伝わりません。
「きゅうり」 だけだと、それが高いのか低いのか、何を表しているのか相手には伝わらないのです。
本を読んで相手に伝えるというのは、文章読解もさることながら適切な回答にもつながるということになります。まずは、簡単な書籍から読んでみましょう。
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