2022年3月11日金曜日

あなたの視点は「鳥」or「虫」

 


目の役割ってなんでしょう?

こんにちは。塾長の田中です。

僕は、医療での職業についているため、人体のことに関しては、少なからずとも多く知っていると思います。特に人体を”機能”で判断することに長けておりますので、心理的な心のゆらぎや、精神機能などはやや疎いかもしれません。

いくら「嫌だ」といっても、やらなくては宿題が終わりませんし、「やる気が出ない」ことは作業ができないことの理由づけにならないと思ってしまいます。当然子どもからは「鬼」のように思われています。愛情は注いでいるのですが。。。


とはいえ、目で見えないものは信じられない というわけではありません。我々の俗に言う目玉は、光を受けます。面白いことに、右目と左目は違う情報が入ってきているんですね。当然だと思いますが、カメラが二台横に並んでいることを想像すればイメージできると思います。でも我々は、見ているものが2つにダブったりしません。一つの画像に統合されていますよね?この仕組のすごいところは、大脳新皮質にあります。別々に見えている画像を、後頭葉(頭の後ろ側)で一枚に合成します。しかも個人によってかなり脚色されます。有名なことは、色などは個人による感受性がかなり違ってきます。男女での「ピンク」の分類は、微妙なピンクの違いに関して女性は細分化でき(明るいピンク、グレーが入ったピンク、青みがかったピンクなど女性は分類できます)男性はほぼ同じにしか見えないようです。同じ光情報でも着目したり注意したりすることで、その解像度は個人によって変わるようです。


目で見えている情報ですら、能の中で改変されますので、「どこから見るか」という視点に関しても意識することができます。いまあなたがこのブログを見ているのはスマホでしょうか?PCでしょうか? その状況を少し後ろから想像することができますか? また情報からイメージしたり、正面から覗き込んだりしてみてください。頭の中で結構自由に視点がかえられると思います。人の素晴らしいところは「脳内で視覚情報を自由い変換できる」ことなのです。これをメンタルローテーションと呼びます。

カーナビとかも、進行方向と上下があっていないと、左右側がわからないということもありますよね。そういう能力も重要なのです。

さて、物事を見るときにこの「視点」が重要です。事実か、解釈か、主観か、客観か、さまざまな立場でものごとを判断していきます。その個々の判断も重要ですが、どれくらいの「視野」でみているかも大事なところです。

目の前で「棒が倒れた」という事象を、棒の重さや接していた面積、摩擦力など細かく見ていくこと、これらを虫が木の幹に這っていて、その接している面を分析することに例えて、「虫瞰(ちゅうかん)」と呼びます。


虫瞰が得意なこと


それは、物事を細かく分析する能力です。なぜこの答えになるのか、なぜAとBは関係あるのか、小さな事実を積み上げて考えていくことは、教育機関ではとても重要視されます。

そういうことを積み重ねることで、物事の一次元的な因果関係を捉えやすくなります。幼少期などはまさに重要で、テレビを見ているとご飯が食べられなくなるという一次元的な因果関係を教え込んでいくことは重要です。

さて、この分析能力だけで、十分でしょうか?実はこれ以上に学習や人生において必要なことがあるのです。


それは、「鳥瞰」「魚瞰」です。


鳥瞰とは、字の通り鳥のように空を飛び、木全体、森全体、地形全体を見ることです。この視野の広がりを持つことは、練習しなければなかなか得られません。

ご飯と食べながら、このお米はどこで作られて、どの生産者さんで、どの地域で作られて、いつの年のものなのか、その年の天気はどうだったか、などお米にまつわる大局を見ていきます。

この計算問題は最終的にどこに結びつけることを狙っているのか、先を見据えることができているかということです。実は教師側はこの視点に立って、カリキュラムを構築し、シラバスを構成しています。決して1回1回が途切れているのではなく、連続性があり最終コマでは全てがつながるように構築しています。もしそのようなストーリーを作れているのであれば、先に教えてほしいですよね。

しかしカリキュラムは、先を見据えた公開はしてくれません。

これはいくつかの要素が考えられますが、


1,先にストーリーの結語を教えてしまうとネタがバレてしまったように思ってしまうから
2,予定通りいかないときに批判を浴びるのが怖いから
3,そもそも学習者に合わせているので、流動的であるから


などがあげられるでしょう。

大学ではこんな事はありません。1時間毎に何を教えて、具体的な到達目標を提示し、あわよくば毎回試験をして理解度を確認していきます。こういうカリキュラム構成が確実になされており、小さい目標を提示するシラバスを事細かに構築していきます。

なぜか、義務教育ではこのあたりに着目されることなく、ブラックボックスになってしまいます。小学生でも、中学生・高校生でも重要なのは、この「先を見る力」=鳥瞰 なのです。


 某有名な評論家が、同じことを「身長の例え」で表現していました。
 「若い子は身長が2cmだとする。そうすると目の前にペンが置いてあると、視野がペンで一杯に埋め尽くされる。ペンの裏にお菓子があることも、その先が崖になっていることも目に入らない。
 大人は身長が20cmあるとすると、ペンぐらいでは躓くこともないし、その先を見通しているので、目の前のことが何につながっていくのかを見据えて行動できる。この身長をもつことで「俯瞰力」がてにいれることができるのか、大人になるということである。流行に敏感な若者は、今の事象しか見えていないのでその虜になる。大人はその事象が刹那であることを俯瞰できるので行動をおこなさないのである」


 一般的には「先を見通す力」、専門的に言うと「俯瞰」、さらに虫瞰、鳥瞰と分類されます。いまあなたがこの文章を読んでいるときは、どんな視野で物事を見ているのでしょうね。


 ラテラルシンキングやクリティカルシンキングなどはまた別の考え方や物の見方になります。

 これも、おいおい説明していきますね。



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